須美須火山は八丈島の南方約180kmに位置する七島・硫黄島海嶺上の火山である。本図は須美須火山を真南から俯角45゜で視たものである。
須美須火山はカルデラを伴った複成火山である。カルデラの南にある須美須島(南北約270m,東西約100m,高さ136mの岩尖塔)だけが,海面上に現れている。
中央の須美須カルデラは直径約10km,底部約950mで,カルデラ床と外輪山の比高差は約600mである。カルデラ内側は急斜面となっており,最大で35゜に達する。
カルデラ内には円錐状の白根と呼ばれる火山(頂部水深7.7m)があり,カルデラ形成後に活動したと考えられる。
一方,カルデラ南方には須美須島を含む南北に伸びた高まりとその西側の円錐台の高まり(頂部水深23m)が存在する。
これら2つの高まりはともに,頂部が比較的平坦で,その北側斜面がカルデラによって切られており,カルデラ形成以前の側火山と考えられる。
外輪山の外側斜面は,カルデラを中心とした同心円方向に比高数10~200mの尾根と谷が繰り返す波状の地形となっている。 |